回避型:Aタイプ(avoidant)
- 母親と離れてもほとんど泣いたり混乱をする事がない。
- 母親との再会時には、母親から目を逸らすなど、母親を避けようとする。
- 母親を安全基地として部屋を探索するというより、母親の存在がないかのように自由に振る舞う事が多い。
《 回避型の親の特徴 》
- 子どもの働きかけに対して全般的に拒否的にふるまうことが多い。
- 他のタイプの母親と比較して、子どもに対して微笑むことや身体接触することが少ない。
- 子どもが苦痛を示す場合に対して、逆にそれを嫌がり子どもを遠ざけてしまうような行動をとる。
- 子どもの行動を強く統制しようとする働きかけが多く見られる。

安定型:Bタイプ(secure)
最も望ましい関わり方としてBタイプの安定型があげられます。このタイプは、乳児期の発達課題「基本的信頼感」が得られるタイプとされています。
- 母親と離れる時に多少泣いたり混乱をするものの、母親が戻ってくると抱き付いたりしてすぐに気持ちを落ち着ける事ができる。
- 母親を安全基地として、積極的に遊ぶ事ができる。
《 安定型の母親の特徴 》
- 子どもの欲求や状態の変化などに相対的に敏感に対応する。
- 子どもの働きかけに対して、一貫して適した応答を行っている。
- 子どもに対して過剰な要求や、無理に統制するような働きかけをすることが少ない。
- 子どもとの相互交渉は、おおむね調和的で円滑。
- 子どもは遊びや身体接触を楽しんでいる様子がよくうかがえる。
- 子どもからのシグナルに対して適切に受けとめ、情動状態にあわせて感度よく応答。
- 母親に対する基本的信頼感を築くことができる。

両価型:Cタイプ(ambivalent)
- 母親と離れる時に強い不安や混乱が見られる。
- 母親が戻ってきても、怒りがなら母親を叩くなどネガティブな感情の切り替えがなかなかできない。
- 母親を安全基地として自由に遊ぶ事が苦手で、常に母親の側にいようとする傾向がある。
《 アンビバレント型の母親の特徴 》
- 子どもの発するアタッチメントシグナルに対して応答性、感受性が相対的に低い。
- 子どもの行動 や感情状態を適切に調整することが不得手である。
- 子どもからのシグナルに対して、応答するときも、無いときもある。
- 子どもとの肯定的な相互交渉も、自分の気分や都合に合わせて行う。
- タイミングがズレたり、一貫性を欠くことが多くある。

無秩序型:Dタイプ(disorganized)
Dタイプはエインズワースの初期の実験にはなく、その後に見出されたタイプ。
- 戻ってきた母親に対して顔を背けながら近づいたり、母親にしがみついた直後に床に倒れ込んだりといった、本来なら両立しにくい行動を同時に取る。
- 虚な表情のままじっと動かなくなってしまう事もある。
- 何をしたいのかが読み取りにくいタイプ。
- 母親に対して怯える様子を見せる事もあり、逆にストレンジャーに対して親しげな態度を取ることもある。
- 近接と回避という相反する行動が同時に起きる。
- 不自然でぎこちない動きを示す、タイミングがずれた場違いな行動や表情を見せる。
《 無秩序型の母親の特徴 》
- このタイプの養育者像は推定の域で、まだ明らかにされていない。
- 抑うつ傾向が高かい、精神的に極度に不安定場合が多い。
- 通常考えられない虐待行為を含めた不適切な養育を行うこともある。
- 典型的な行動パターンとしては、自分自身も怯え、他者も怯えさせるような行動をとる。
- 過去にトラウマを有する体験があることが多く、日常生活の中で突発的にその記憶に取り憑かれ、怯えや混乱を起こすようなことがある。
- 表情や言動に変調をきたし、パニック状態になることもある。

《 補足 》
ストレンジ・シチュエーション法は、あくまでも1歳頃の子どもを対象とした実験です。そのため、この時期に分類された子どもの特徴が、大人になるまでずっと続くとは限りません。勿論、子どもの行動の特徴を見て、親の関わり方を決めつけるのも良くないでしょう。
愛着の段階
【第1段階】生後3か月ころまで
誰に対しても同じように見つめたり、泣いたり、微笑したりする。
【第2段階】生後6か月ころまで
日常生活でよくかかわってくれる人(たいていは母親)に対して、より多く声を発したり、微笑したりする。
【第3段階】2、3歳ころまで
特定の人(主に母親)に対する愛着行動が顕著になる。人見知りがはじまる。
【第4段階】3歳以上
愛着の対象となる人(主に親)の気持ちや動機を見ぬいて(洞察し)、その人がどのようにするつもりかを理解する。自分の行動をその人に合わせたり、相手の行動を自分の希望に合わせるように修正させたりする。

母親の対応で子どものアタッチメントタイプが変わって来ます。我が子がどのタイプにあたるのかということよりも、安定型Bタイプ母親の対応を知って欲しいと思います!!
子どもからのシグナル・サインを受けとめて、適切に対応していくことで子どもは安心・安全地帯を持つことができます。次のステップに繋がる「基本的信頼感」を母親から受け取ることができるのです。
途中からでもアタッチメントタイプは変わります。ぜひ、子どものアタッチメントを健やかに育ててあげてくださいね!!