腰の骨が潰れたようになって変形してしまっている。レントゲンを見ながら医者は言った。
どこでそうなったのか?過去を振り返っても何もでてこない。
「重いものを持ったりラグビーのような激しい運動をしたりしてきたでしょう?」医者は聞くともなしに話しかけてかたが思い当たる事は何もなかった。
腰の痛みを感じるようになったのは、アシュタンガーヨガの練習をするようになってからだ。今から25年くらい前だ。30過ぎという年齢的なものもあったのだろうが、それまでは腰痛になった事もなかったし、その原因がどこにあるのかも分からなかった。
それからは、自分の身体を使って腰痛について学ぶ事にした。解剖学や他のボディワークをしてみたりして、ヨガの中で自分の身体を見つめてきた。なんとなく良い時期があり、いったん痛みだすと歩けなくなるほどの痛みに襲われたりもした。
いちど駅のベンチに座ったきり動けなくなった時はどうなる事かと思ったが時間が経つと段々と回復していった。
そんな事を繰り返しながら7年前アイアンガーヨガの試験を受ける時に練習をしていて、また腰痛が再発した。ある程度身体が柔軟になってくると腰痛が出てくる。
その時になって初めて病院に行った。そしてそこで撮った自分のレントゲンを観て唖然とした。
病気や怪我とはこんなものだ。
お釈迦様が云うように避けては通れないものなのだ。
いや、もっと早く医者に行けと云う人もいるが、なかなか行きたくない。
道に迷っても直ぐに人には聞けないタイプで、自分で何とかしようと足掻いてしまう。
足掻いて手遅れになってしまう事もあるかもしれないが、まぁしょうがないと割り切って終わりなのだ。
思えば遠回りばかりしてきた。
全てがこんな調子で嫌になるが、この腰が何を告げようとしているのか、それは自分でしか分からない。