立ちポーズの練習からアサナは始まる。人間は2本足で立ち、その上に体が乗っかっているから足は土台になる。
足のバランスが悪いとその上は自然と歪んでいく。
立ちポーズでは先ず膝の引き上げを学ばなければならない。
膝を引き上げるとは大腿部を使っていく事である。
他の武術や運動でも大腿部は重要な要素の1つでヨガも同じである。
ただ身体が柔らかいだけのヨギーニ達はこの点を見落としてしまい、大腿部の前側に余分なお肉が沢山ついていたり外反母趾にみられるようなつま先重心になっている人達が沢山いる。
しかしただ膝を引き上げるだけでは、筋肉を固めてしまい逆に膝を痛めてしまう場合もある。
膝を引き上げるエネルギーは大腿部前側全体を引き上げ、骨を後方へと押し外旋することで脚が強く使えるようになっていく。
更に膝を引き上げるエネルギーと同時にふくらはぎを踵の方へと伸ばす事も重要なアクションになってくる。
足首は柔らかいがふくらはぎが固い人もよくいる。第二の心臓と呼ばれるこのふくらはぎの固さが意味するところは想像がつくだろう。
ふくらはぎを伸ばし床を押すというアクションは背骨を上へと引き上げ、膝を守ってくれる。
関節が柔らかい人には難しいかもしれないが膝や足首の過伸展を防ぎ関節を守る為にも必要な事である。
さらにこの足の強さが腹部を解放し女性特有の症状の緩和にもよい影響を与えていく。
足をしっかり伸ばす事ができて初めて、そのエネルギーは股関節、骨盤、背骨へと伝わっていき呼吸が深まりプラーナヤーマへとつながっていく。
アサナはその為の練習でもある。
スピリチュアル的に言うならば地球のエネルギーと繋がる為、グランディングに必要な練習である。
だから膝の引き上げは、ヨガをする上で基本のキになる。
とはいうもののヨガを始めた頃から先生に言われてきたが納得できずにずーっと避けてきた。
最近になってその大切さが、ようやくわかってきた。
自分の身体を通して理解するのには時間がかかるが、これがヨガを続けている楽しみの一つでもある。